ダメな人間でもいいよって言われたかった。


人と話すのが苦手。

自分の思ってることを伝えることが苦手。

何かについて感想とか聞かれてもそもそも特に思うことがないので、伝えることもない。


自分のことを話すのはもっと苦手。

いつも暗くなるから自分でも話したくない。

いろんな人と同じ場で一緒に話すのが世界で一番苦手。

人の話にあまり感想を抱かないうえ、話すタイミングも話し方も声の出し方も何もかもやり方が分からなくなる。私いつもどうやって話してたっけ?






幸い勉強はそこそこできた。

名の知れている都内の大学に入った。


大学はつまらなかった。

もともと勉強したいこともそんなになかったしなんでもできそうで特に専門性がない学部に入った。

4年間で勉強して頭に入ったことは特にない。

好きな語学だけは続けられた。

やりたいこともなく大学に入って卒業して、

やりたい仕事はもっとない。




就活は途中でできなくなった。


志望動機も働く意欲も全くないしスーツを着て黒髪にするのが嫌だったから。思ってもない志望動機を取り繕い自信を持って話す才能がなかったし嫌いだった。

皆が、なんで働きたくないと言いながら、大企業とかいい会社に入ろうと頑張ってるのか本気で分からなかった。

やりたい仕事もなく、どこを受けたらいいかも分からない。大企業に入りたいとも思わなかった。


というか自分にできる仕事が一つも思い浮かばない。自己をPRすることがひとつもない。だってこんなに生きる意欲もないし、向上心もなくて、人と関わるのも苦手。

何も話すことないよ。


なぜか2社くらいは運良く最終面接まで行ったけど、意欲のなさが伝わって落ちた。

それで他に受けるところもないし就活を辞めた。



すごい。

初めて自分を底辺に落とした。

成績はそこそこよくて、それなりの大学に入って、一応ちゃんとしてると思われるレールに沿って生きてきたけど。

服もメイクも好きだから、外から見ると私は普通の女。(ただ自分が醜いのが嫌いなだけ)

自分で言うのもあれですが、第一印象は、すごくいい。

外見を取り繕うのは上手いから。見た目だけ。

でも中身は、何もないよ。


底辺生活は、辛い。

周りは新入社員。

わたしは引きこもり。

わざと自分をドン底に落としてる感覚。

何もできない自分が嫌なはずなのに、わざわざそれを実感しないといけない底辺の環境に置いてみた感じ。

なんで?


子供自体はなぜか勉強しないといけない強迫観念があったし将来のためにって漠然と思ってたけど、

いい大学に入っていても、就活できない面接できない人と話せないできることがない自分は、ちゃんと働けない。今までのちゃんとしてる人生のように見える自分を捨てたかった。勉強だけできても意味ない自分を分からせたかった。自分に。

私は私に自分がダメな人間なんだよって知らせたかった。気がする。

だってダメなんだもん。できないことが多すぎる。


私は普通のちゃんとしてる人に見えるみたい。

見た目だけ

今どきの女

中身はからっぽの女

人と話すと思考停止しちゃうのなんでだろう。

何を話したらいいか本気で分からない。

自分の話してる声がすごく冷たく聞こえる。


ちゃんとしてるように見えるせいで、

ちゃんとできないと失望される。


マイナスからプラスは特で、

プラスからマイナスは損だよね

どっちもゼロなのに。